🎯 このガイドの対象者

  • • 農業生産者・農家
  • • 農業法人経営者
  • • 農業指導員・普及員
  • • JA職員
  • • 園芸農家・花卉生産者
  • • 農薬・肥料販売業者
  • • 農業コンサルタント
  • • 家庭菜園愛好家

📊 主要計算ツールの使い方

1. 肥料必要量計算

使用場面

  • • 作付け前の施肥設計
  • • 土壌診断結果に基づく施肥量調整
  • • 肥料購入計画の立案
  • • 環境保全型農業の実践

操作手順

  1. 栽培作物を選択(水稲、野菜、果樹など)
  2. 栽培面積を入力(a単位)
  3. 目標収量を設定
  4. 土壌タイプを選択
  5. 「計算する」ボタンで必要施肥量を算出

💡 実務でのコツ

  • • 土壌診断結果があれば、残存養分を差し引いて計算
  • • 有機質肥料は肥効率を考慮(60-80%)
  • • 追肥は生育状況を見ながら調整
  • • 連作圃場では前作の残効を考慮
→ 肥料必要量計算ツールを使う

2. 農薬希釈計算

使用場面

  • • 防除作業前の農薬調整
  • • 適正使用量の確認
  • • 農薬使用記録の作成
  • • GAP認証対応

安全な使用のポイント

  • • 必ず農薬ラベルの希釈倍率を確認
  • • 散布面積から必要液量を逆算
  • • 余った希釈液は適正に処理
  • • 防護具着用と周辺への配慮

⚠️ 注意事項

  • • 使用基準(回数・時期)を必ず守る
  • • 混用可否は農薬混用判定ツールで確認
  • • 高温時の散布は薬害リスクあり
  • • ドリフトに注意し、風の弱い時に散布
→ 農薬希釈計算ツールを使う

3. 播種量計算

使用場面

  • • 種子購入計画
  • • 育苗計画の立案
  • • 直播栽培の種子量算出
  • • コスト計算

作物別の留意点

  • • 水稲:播種量は地域・作型により調整(乾籾100-180g/箱)
  • • 野菜:発芽率を考慮し、10-20%増しで播種
  • • 豆類:播種深度と土壌水分に注意
  • • 葉菜類:間引きを前提とした密播も検討
→ 播種量計算ツールを使う

📋 営農サイクル別活用方法

🌱 春作業(3-5月)

水稲

  • • 育苗箱数と播種量を計算
  • • 基肥量を土壌診断結果から算出
  • • 除草剤の必要量を計算

野菜

  • • 定植本数から苗必要数を計算
  • • マルチ・支柱等の資材量算出
  • • 元肥と追肥計画を作成

☀️ 夏作業(6-8月)

病害虫防除

  • • 防除暦に基づく農薬必要量計算
  • • 農薬混用判定で効率的な防除
  • • 散布記録の作成と管理

水管理

  • • 潅水量計算で適正な水管理
  • • 液肥濃度の計算と施用
  • • 高温対策の遮光率計算

🍂 秋作業(9-11月)

収穫・出荷

  • • 収穫量予測で出荷計画立案
  • • 選果基準別の収量計算
  • • 出荷資材の必要量算出

土づくり

  • • 堆肥施用量の計算
  • • 土壌改良資材の必要量
  • • pH調整用石灰量の算出

❄️ 冬作業(12-2月)

施設管理

  • • 温室加温の燃料必要量計算
  • • 暖房コストシミュレーション
  • • 保温資材の必要量算出

次作準備

  • • 輪作計画の作成
  • • 種子・苗の発注量計算
  • • 年間資材計画の立案

⚡ 生産性向上のテクニック

データ活用のコツ

  • • 年間の計算履歴から改善点を分析
  • • 収量と施肥量の相関を把握
  • • 防除記録から効果的な農薬を選定
  • • コスト計算で収益性を評価

効率化の実践例

  • • 複数圃場の一括計算で作業計画作成
  • • 農薬混用で散布回数を削減
  • • 適正施肥で肥料コスト20%削減
  • • 計画的な資材購入で在庫最適化

🌾 作物別活用ガイド

❓ よくある質問と対処法

Q. 有機質肥料を使う場合の計算方法は?

A. 有機質肥料は肥効率が化成肥料より低いため、窒素で60-80%、リン酸で40-60%、カリで80-90%程度で計算します。 また、C/N比を考慮し、分解速度に応じて施用時期を早めに設定しましょう。堆肥は土壌改良効果も期待できるため、 連用効果を考慮した施肥設計が重要です。

Q. 農薬の混用可否はどう判断する?

A. 農薬混用判定ツールでpH値や成分の相性を確認します。一般的に、アルカリ性農薬と酸性農薬の混用は避け、 乳剤同士の混用も沈殿のリスクがあります。初めての組み合わせは少量でテストし、 物理的変化(沈殿、分離、発熱)がないか確認してから使用しましょう。

Q. 天候不順時の施肥量調整は?

A. 日照不足では窒素を控えめに、長雨では流亡を考慮して追肥回数を増やします。 高温乾燥時は濃度障害を避けるため、施肥量を減らして潅水量を増やします。 生育診断と併せて、計算値の70-80%から始めて調整することをお勧めします。

Q. GAP認証に必要な記録は?

A. 肥料・農薬の使用記録(日時、圃場、使用量、希釈倍率)を計算ツールの履歴機能で管理できます。 PDF出力機能を使って月次報告書を作成し、トレーサビリティを確保しましょう。 計算根拠も含めて保存することで、監査対応もスムーズになります。

🚀 さらなる活用のために

関連ツール

学習リソース

サポート